わこわこマラソンクラブ

3/24/2007

東京マラソン第二弾

9時10分、いよいよ号砲がなりました。スターターは石原都知事。号砲とともにハート型の紙ふぶきが飛び出します。これには一様にランナーもびっくりしています。私はといえば、25分間冷たい雨の下で待たされた為筋肉が硬直し、走り出してもなにか脚も上半身もしっくり来ない感じでした。とにかく体を温めようと自分で決めていた5キロのスプリットタイムの25分を上回るペースで走り始めます。
都庁前のスタート地点を通過し、右折し青梅街道へ。すぐに新宿大ガードを通りを一杯のランナーが通り過ぎます。まさに圧巻。きっと通りで見ていた応援の人たちはそう思ったことでしょう。
今回の沿道の応援してくれた人は178万人とのこと。応援が私たち選手の背中を押してくれたことは間違いありません。
大ガードをくぐると、通りの名前はおなじみ「靖国通り」に変わります。5kmの防衛庁の前を通り過ぎるあたりから徐々に体にぬくもりが感じてきました。
神楽坂のエイドステーションでスポーツドリンクを手に取り、飲みます。体は冷たいですが水分はとらねばなりません。すぐに飯田橋の交差点を右折し皇居に向かいます。竹橋を過ぎ、皇居の周回コースと同じ通りを通ります。和気清麻呂像を右手に見て、「ああ、皇居なんだ」と実感します。祝田橋を左折するとすぐに10kmのゴールと、フルマラソンの列に分かれて併走します。右側を行く10kmのゴール直前の走者を見て、「いいなあ、もうゴールか」という気持ちと「フルマラソンはまだ走れる。楽しめる時間がまだたくさんあるぞ」という気持ちが交錯します。内幸町を過ぎたあたりで、トップランナーと行き交わします。ものすごいスピード。世界のトップランナーの速さを実感します。どんなに条件が悪くてもきちんと結果を出す人には、いつも刺激をもらいます。国道を品川に向けて南進、増上寺、泉岳寺を過ぎ品川駅の手前で折り返します。増上寺手前で私が所属する明走会のメンバーと行き交わします。
あまりの人の多さにメンバーの確認が出来ずにいましたが、逆に相手から見つけていただきました。
100kmウルトラマラソンの名ランナー夜久さん、続いてランナーズの下条編集長から「もりたさーん」と声をかけられ、ほんとうれしかったこと。沿道の皆さんの応援はもちろんうれしいですが、同じランナーからの声がけは、同じレースを一緒に走っている仲間としてそれ以上にうれしいものです。
有楽町駅を右に折れ、すぐに中間点を迎えます。更に銀座を過ぎ日本橋へ。ここらあたりまで5キロを22~24分弱のペースで来ており、「この雨の中だけど目標タイムの3時間30分は確実に切れるかも」と思ったのもこのあたりでした。茅場町・水天宮・浅草橋を過ぎ浅草の手前蔵前あたりですこし脚が重くなってきました。と同時に一歩あたりの歩幅が縮まっていくのがわかります。回りのランナーはといえば着実に距離を稼いでいる感じで、今までじゃんじゃん抜いてきましたが、ペースが同じになってきました。駒形橋を過ぎ浅草へ。雷門を正面に見てこの字に折り返します。このころは余裕もなくなり、周りを眺める余裕もなくなってきています。更に歩を進めて同じ道を引き返します。雨で冷え切った脚は、前半の疲れとあいまってずどーんと重く感じます。こんなとき、いつも何度も立ち止まり、休みたいという思いにかられるのですが、とくに京橋から銀座あたりはその局地に達していましたが、沿道で応援してくれている人たちの視線を感じ、なにか立ち止まることに躊躇している間に歌舞伎座を過ぎ、築地を過ぎ、これはなんとかなるかなーと思いました。佃大橋から橋をいくつか越え、ゴールを目指します。橋は基本的に下を船が通り過ぎることができるよう弧を描くようにアーチ上になっており、登りくだりの道の形態になっています。これが最後に来てかなりきつい。ラップタイムはおそらくキロ7分弱になっていたと思います。更に38キロ付近で脚が痙攣し、全く動かなくなってしまいました。これで終わってたまるかと意志を固め、歩くくらいのスピードで足を前に出していきます。40キロ手前のエイドは、私の入っているマラソンのクラブの明走会のメンバーがひとつのエイドを運営しています。とりあえずそこまで行こうと考え、歩を進めました。エイドでは明走会の仲間たちが、手渡しでスポーツドリンクをランナーに手渡しています。私も一杯もらい、ついでに元気ももらい、最後の数キロを走りきることができました。


ゴールはお台場のビックサイト。すでにゴールした人たちが係員の指示に従い荷物が置いてある地点に向けてのろのろと歩いていきます。冷え切った体に助かったのは、アシックスが提供してくれたヒートアップジャケット(かっぱのようなもので、雨風を防ぎます)を一人1まいずつもらえたこと。荷物を手渡しするトラックの前で15分くらい待たされたのには閉口しましたが、なんとかこのジャケットのおかげで最悪の冷えからは体を守ることができました。


荷物を持ち、ビックサイト1階のスペースで大勢のランナーが着替えを開始(一番上の写真)。そのあと、無料のマッサージを受けた後、ゆりかもめで新橋へ。18時から明走会の打ち上げが予定されていましたが、15時ごろについてしまったため、日ごろお世話になっている、ランナーが集まる居酒屋さんで有名な烏森神社参道にある「ささ亭」さんに寄りました。おかみさんの酒井さんに完走の祝福を受け、周りで飲んでおられる東京マラソンを完走したランナーと今日の感想を話し合いながら、長かった一日を振り返りました。